RESEARCH RESULT

研究の成果(発見)

国立大学法人弘前大学
農学生命科学部
分子生命科学科 微生物生態学
殿内 暁夫 教授

国立大学法人弘前大学 農学生命科学部
分子生命科学科 微生物生態学
殿内 暁夫 教授

DISCOVER

「微生物の宝庫」の鍵を開けた、
一人の研究者の飽くなき探究心

地域に根ざす大学だからこそできた、世界遺産地域での研究

世界自然遺産である白神山地では、核心地域への入山や標本の採取など厳しく制限されています。そんな人の手がほとんど及んでいない「未知の森」における生物多様性の調査研究や環境教育、社会貢献を行うことを目的として、2009年、弘前大学農学生命科学部は自然遺産地域から約3キロと程近い西目屋村に白神自然観察園を設け、地の利を生かした研究を始めました。微生物を専門とする殿内暁夫教授もその一人。これまで研究の大きな空白域になっていた白神山地の森は、個性豊かな微生物たちが棲む「微生物の宝庫」であり、中にはきっと私たちの役に立つものが眠っているはず。その貴重な生物資源を人の健康と地域の活性化につなげたい。その探究心こそが深く急峻な白神山地へと教授を向かわせ、自然植物からの希少な乳酸菌の発見へと導きました。

核心地域は、人の入り込みにより自然環境への影響が生じないよう入山を規制している。許可のない動植物の採取はもちろん、落葉や落枝の採取も禁止されている。

白神山地は全体的にはなだらかだが、隆起地域のため傾斜のきつい場所も多い。乳酸菌を見つけること以前に、整備されていない山中を歩き回ることがまず大変困難だ。

週に一度は山へ入ってフィールドワーク。広大な白神山地のブナ林の中、観察用ルーペで微生物の存在にあたりをつけた枝葉や木の実を試料として採取した。

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