RESEARCH RESULT
研究の成果(機能性)
国立大学法人弘前大学
農学生命科学部
食料資源学科 食品栄養化学前多 隼人 准教授
国立大学法人弘前大学 農学生命科学部
食料資源学科 食品栄養化学前多 隼人 准教授
FUNCTIONALITY
キハダ、ブナ由来株が見せた、
期待を超える機能性兆候
多様性の森は、乳酸菌たちの個性も豊かでした
殿内教授が発見・分離した乳酸菌は、世界自然遺産の森から見つかった貴重な自然植物由来乳酸菌であることから、これまでにない新しい機能性を持っている可能性が大いに期待されました。まずは先行して分離に成功したキハダの葉由来のラクトコッカス・ラクティスについて、食品栄養化学を専門とする前多隼人准教授のもと機能性試験を実施した結果、血糖値の低下や内臓脂肪減少、筋量増加が期待される兆候などを確認。また続いて分離に成功したブナの実由来のラクトコッカス・ラクティスからも、粘膜の保護作用を持つムチン量の増加などが認められ、2 株からヒトに役立つ個性的な機能性兆候が見られるという期待以上の結果が得られたのです。これらは『白神の森乳酸菌』と名付けられ、株式会社ラビプレと弘前大学による実用化に向けた産学協同の取り組みが動き始めました。
食品の持つ機能として、栄養の供給やおいしさなどの機能の他、近年ではヒトの健康維持に関わる機能が注目されており、健康食品への利用を目指す研究が行われている。
死菌パウダーを用いた機能性試験を実施。死菌は熱や胃酸の影響を受けにくく、常温での管理・流通が可能、工場汚染のリスクが低いといった様々なメリットがある。
機能性試験に加えて、単回経口投与毒性試験、復帰突然変異試験(Ames試験)、90日間反復経口投与毒性試験といった試験を終了し、安全性を確認している。