白神の森から世界へ!
佐久間朋宏氏 (一社)ハラル・ジャパン協会代表理事×ラビプレ 三浦 クロストーク
佐久間:まずは、白神の森乳酸菌の上市、おめでとうございます。
三浦:ありがとうございます。2017年の企画スタートから5年が経ちました。
佐久間:世界自然遺産である白神山地と、日本の国立大学法人である弘前大学の研究が融合したブランディングは、十分世界に通用すると思います。
三浦:うれしいですね。世界に発信できる素材に育てていきたいですね。
佐久間: 三浦社長が世界展開まで視野に入れられて企業活動されている動機をお聞かせいただけますか?
三浦:自分でもよくわからないのですが、強いて言えば、自身の弘前大学生時代の経験ですかね。私、大学時代の専攻が、認知言語学だったのです。
佐久間:ほう。理系のご出身かと思ってましたら、言語学とは意外です。
三浦:よく言われます(笑)。まあ、高校時代は理系クラスにいましたので、今のバイオ分野でも役には立っていますが。認知言語学ゼミに配属された最初の頃は全然理解できなくて苦労しました。ゼミの教授から渡される英語論文を読むのが辛くて、もうチンプンカンプンなんですね。ところが論文を読むのが5本を超える頃、あることに気が付いたんです。
「あっ、俺は弘前という人口20万人足らずの地方都市にいながら、世界中の学者の論文を読めている」と。
佐久間:それは面白い。
三浦:それですっかり認知言語学の魅力にとりつかれました。論文を10本ほど読むと自論が生まれ、卒業論文を書き上げました。卒業式の謝恩会で、教授が私に送ってくれた言葉があります。「東京やニューヨークだけが世界の中心ではない。地球は丸いのだ。お前が立っているそこから世界は見渡せる。お前が立っているそこが世界の中心だ。」~この言葉があったから、卒業した今でも、私の中に「世界」という意識が強烈に存在しているのだと思います。
佐久間:大変興味深いお話をありがとうございます。三浦社長の根底にある考え方を伺った気がします。
三浦:まぁ、私の話はともかく(笑)。世界に拡大していくハラル・マーケットには、コロナ以前から興味がありまして、自分で調べたりはしてしました。偶然にも、ネット検索で一般社団法人ハラル・ジャパン協会様がヒットして、こちらから問い合わせしてご縁をいただいたわけです。
佐久間:こちらこそご縁をいただき感謝しております。世界のイスラム教徒(以下、「ムスリム」)の人口は現在、全世界人口の1/4に及んでおり、将来は1/3まで達すると統計的に予測されております。また、ムスリムは若い世代が多く、高い経済成長性が期待できます。ハラル認証があれば、ムスリムの方々は、安心かつ安全に商品を選ぶことができます。国際展開を検討されている「白神の森乳酸菌」にとってハラル認証は、「選ばれる商品」となるためのこの上ない手段となると思います。特に白神の森乳酸菌は、植物由来、つまり植物そのものから分離した乳酸菌と伺っております。チャンスは大いにあると感じています。
三浦:なるほど。認証取得までの方法を正確に知るにはどうすればよろしいでしょうか?
佐久間:まずは、ハラル制度をしっかり学ぶというところからですね。それと「どの国をターゲットにするか?」もとても大事です。ハラルには国際的な統一認証がありませんし、例えばマレーシアとインドネシアでも認証団体がそれぞれ違います。ハラル認証取得と国際展開には、学習と戦略立案が最重要なのです。
我が社団法人では、ハラルセミナー/研修の開催他、企業様向けのイスラム市場調査や輸出・海外進出支援を事業として行っており、しっかりサポートさせていただいております。
三浦:私もきちんと学ぶところから始めたいと思います。佐久間さん、ビーガンマーケットの方はいかがでしょうか?
佐久間:はい。ビーガンは、いわば「ライフスタイル」です。ところが実は、日本の乳酸菌素材はヒト由来や動物由来のものが多いので認証取得は簡単ではありません。このビーガンの分野においても、「白神の森乳酸菌」は大いにチャンスがあると思っています。
三浦:私は植物由来という特長を生かして、世界中の方々が宗教やポリシー、ハンディキャップの有無に関わらず、健康を手軽に得ることができる原料に育てていきたいと考えています。機能性試験を手掛けていただいた前多隼人先生(弘前大学農学生命科学部)とよくお話するのですが、「白神の森乳酸菌はとにかく機能性が多岐に渡る」と。それが植物由来だからなのかはもう少し研究が必要ですが、キハダ由来株/ブナ由来株ともに、ユニークな機能性兆候をいくつか示唆しています。必ずや、世界中の方々の健康維持に貢献できると信じています。
佐久間:それは素晴らしい。まさにSDGsゴール3「すべての人に健康と福祉を」ですね。
三浦:はい。そのためにも、手に取っていただきやすい「ハラル認証マーク」と「ビーガン認証マーク」はぜひとも取得したいと希望しています。今回、ハラル・ジャパン協会様に「ノンアニマル表示」「ノンアルコール表示」推奨マークの認定をいただいたのを足掛かりとして、ハラル/コーシャ(ユダヤ教の安心・安全認証制度)/ビーガン認証取得にチャレンジしていきたいです。
佐久間:私も三浦社長の挑戦に賛同して、当協会として伴走させていただきますよ!
株式会社ラビプレ
代表取締役 三浦 和英